ポンコツ同盟

私たちは次の駅で降りた。女の人が痴漢を引きずり下ろし、もうひとり、電車で痴漢を押さえてくれたサラリーマンが一緒に降りてくれた。

「ねえあなた、駅員探して伝えてくれる?」

「分かりました!」

私は急いで駅員さんを連れてきた。

「この人です!」

駅員さんがそいつを駅員室に連れていこうとすると、そいつは抵抗し、逃げ出した。

「このやろ!」

すると、痴漢の逃げた先にいた男子高校生が足を出し、その足に引っかかった痴漢が転んだ。

「往生際が悪いよ、おっさん。」

足を引っ掛けた高校生と一緒にいた男子が、痴漢を地面に押し付けた。そこに駆け寄ってくる数人の駅員。

「ナイスお兄ちゃん!荒川くん!」

どうやらさっき女の人が連絡していたお兄さんらしい。私と同じ高校の制服を着ている。

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