ポンコツ同盟

「あの、幹生さん、花山真琴って、知りませんか?私の親戚のお姉ちゃんなんですけど、お姉ちゃんから幹生さんの名前聞いたことがあって。」

「…花山?いや、覚えがない。」

「あれ?人違いですかね?みっきーって呼ばれてませんでした?」

「小学生のときはそう呼ぶ人もいたけど。」

「あっ!そうかも!真琴お姉ちゃんの親が離婚する前だったから。」

「小学生のときの知り合い…?真琴なんて子いたかな…」

「真琴お姉ちゃん、前の苗字は『七瀬』っていうんです。七瀬真琴。」

「…ななせ?」

幹生さんは思い出したようだった。

「はい。お姉ちゃんから樋口さんの話聞いたことがあって。樋口さんのこと、救世主って言ってたから…」

幹生さんはふらっと立ち上がり、教室のドアに向かって歩き出した。

「どうしたんですか?」

「…ちょっと用事思い出して。ありがとうね、豆大福。」

そう言って教室から出ていった。

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