ポンコツ同盟

「…チッ。なんだよ使えねえな。」

「っ…!」

パパは私の髪の毛を掴んできた。

「いや!痛い!パパ!痛いよ!」

「やめて!」

みっきーが小さな両手でパパの手首を強く握る。

「ななちゃん痛いって言ってる!やめて!」

「あ?なんだクソガキ。殺すぞ、」

パパは私から手を離したが、今度はみっきーの胸ぐらを掴み、みっきーを放り投げた。

「っう!」

「パパ何してるの!?みっきー大丈夫!?」

私は慌てて倒れてるみっきーを抱き起こす。

「帰るぞ真琴。帰って一緒に金探すぞ。」

パパに腕を引っ張られた。こうなるとパパに従うしかない。変に抵抗して怖い思いをするよりマシだ。みっきーにまで迷惑を掛けてしまったのだ。

「みっきー!ごめんね!私は大丈夫だから、誰にも言わないでね!本当にごめんね!」

パパに引っ張られながらみっきーにそう伝えたが、みっきーは放心状態でそこに立ち尽くしていた。

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