ポンコツ同盟
家に帰ると何回か殴られた。痛くて怖くて泣いた。お金は渡しちゃダメってママに言われてたけど無理だった。最後に私の500円を渡してしまった。
ママには言えなかった。お金を渡したことがバレたら怒られてしまうかもしれないから。私は気持ちを落ち着けるために、お風呂に入った。湯船に浸かるとパパに殴られたところが痛む。
お風呂から出ると、パパは寝ていてホッとした。
しばらくするとピンポンが鳴った。ママかと思い、ドアを開けると、しょうちゃんとみっきーがいた。
「よ、七瀬。」
「…どうしたの?」
できるだけ、いつも通りを装う。みっきーに見られてしまった動揺を隠して、笑顔を貼り付けた。みっきーは少し俯いていて目が合わない。
「ランドセル、忘れてたから届けたんだけど。」
「あ。」
すっかり忘れていた。
「ごめんごめん、ありがとう!忘れてた!」
「ランドセル忘れるってどんなだよ!みっきーが七瀬はお父さんと一緒に帰ったって言うけど、ランドセル置いてるからまた戻ってくるのかと思ったぜ。」
「ごめんね。みっきーもありがとうね。」
みっきーは約束を守ってしょうちゃんに伝えないでくれたんだ。