ポンコツ同盟

翌日。

学校に行くと、しょうちゃんが私の方に来た。

「七瀬、ちょっと話があるんだけど。」

「…何?」

もしかして、みっきーがしょうちゃんに昨日のこと話してしまったのだろうか。でもそれはそれで仕方ない。素直で嘘がつけない子だもん。私はしょうちゃんに着いて廊下に出た。

「昨日、みっきーが泣いてたんだ。」

「え?」

「公園にいる時も、七瀬の家から帰る時も、泣いてた。でも何も話してくれなかった。何か知らないか?もしかして七瀬とみっきーケンカでもした?」

心が痛くなった。みっきーに怖い思いをさせてしまって、それでも私のことを心配してくれて、色んなものを背負わせてしまったのに、それでもなお、みっきーは私の言いつけを守って誰にも話さなかったのか。

「私とみっきーはケンカしてないよ。…でも、昨日、うちのパパが公園に来て、私とパパがケンカみたいなことをしてしまったの。それを見て気にしてるんじゃないかな。みっきーは優しいから。」

「そうだったのか…」

しょうちゃんは、うちのパパのことは知らない。ずっと引きこもってお酒を飲んでいるから、みっきー以外の誰も気付いていないはず。

「今日も公園行くから。ちゃんとみっきーと話すね。」

「おう。」

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