ポンコツ同盟

みっきーはどこまでも優しい。

「みっきーは、何もしなくていいんだよ。何も考えなくていい。みっきーには関係ない、うちの問題だから。いつもみたいに笑って一緒に遊んでほしい。」

「…でもななちゃん、痛そうで、辛そうで、誰かに言った方がいいよ…大人の人誰かに相談した方がいい…」

「誰かに言ったら、私たち家族はバラバラになっちゃう。それは嫌なの。もう少し、あと少しだけ、私さえ我慢すれば、いつかパパは変わってくれるはず。そしたら痛いのも辛いのも全部なくなって、楽しい元通りの生活に戻るはずだから、何も心配いらないよ。」

私はできるだけ笑顔で言う。私はこんなに元気だから、何も心配しなくていいよ、みっきー。

するとみっきーは、私に抱きついて泣いた。

「嫌だ。ななちゃんのパパが変わる『いつか』なんて、いつか分かんないじゃん!ずっとななちゃんが痛いのは嫌だ。」

「大丈夫だよ、みっきー。」

「大丈夫じゃないよ。もっと自分に優しくしてよ、ななちゃん。ななちゃんはみんなに優しいのに、自分にだけ優しくない。そんなななちゃん嫌だよ。自分を大事にしてよ。お願い、ななちゃん。」

みっきーはずっと大声で泣いていた。私のために泣いていた。優しいのはみっきーの方だよ。

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