ポンコツ同盟

「あ、違うの!この前私が痴漢を捕まえたときに、一緒に痴漢の体を押さえつけてくれた人!この人は痴漢じゃない!」

慌てて弁解をしてくれたおかげで何とか誤解は解けたが、ヒヤヒヤした。

「なんだ。いい人じゃん。2回もうちの子を助けていただいて。ありがとうございます。」

お母さんが頭を下げてきた。

「いや、そんな感謝されることなんて俺は…」

「いや、ヒーローみたいだよ、幸松さん。」

…ヒーロー?この俺がヒーロー?平々凡々な俺が?

「幸松さんがいなかったら、僕も妹も困り果てていたよ。」

本当に俺は何もしていない。それでも、少しでも…

「…君たちの役に立てたなら良かったよ。」

「幸松さん、家に上がっていってください。お礼がしたいので。」

「え、」

樋口父に少し強引に家に上げられた。

< 368 / 377 >

この作品をシェア

pagetop