ポンコツ同盟
「あ、違うの!この前私が痴漢を捕まえたときに、一緒に痴漢の体を押さえつけてくれた人!この人は痴漢じゃない!」
慌てて弁解をしてくれたおかげで何とか誤解は解けたが、ヒヤヒヤした。
「なんだ。いい人じゃん。2回もうちの子を助けていただいて。ありがとうございます。」
お母さんが頭を下げてきた。
「いや、そんな感謝されることなんて俺は…」
「いや、ヒーローみたいだよ、幸松さん。」
…ヒーロー?この俺がヒーロー?平々凡々な俺が?
「幸松さんがいなかったら、僕も妹も困り果てていたよ。」
本当に俺は何もしていない。それでも、少しでも…
「…君たちの役に立てたなら良かったよ。」
「幸松さん、家に上がっていってください。お礼がしたいので。」
「え、」
樋口父に少し強引に家に上げられた。