ポンコツ同盟
「あ、警察に連絡しなきゃ。息子見つかったって。」
「え、警察にも通報してたの?」
「そりゃあ息子がいなくなったら捜索願出すでしょ。いつもあんたふらふらどっかに行くけど、何も伝えず一晩いなくなったことなんてないんだから。学校にも電話しなきゃだわ。あ、それから、荒川くんや笛木くん、あと何人かっていうか、大勢の友達があんた探してくれたんだから連絡しなさいよ。荒川くんがあんたの鞄を家まで届けてくれたのよ。」
「…申し訳ないことしたな。」
「そうよ、もう。みんな心配してたんだから。」
「…ありがとう。」
「幸松さん、どうぞ。」
樋口父がお茶とお菓子を出してくれたが、家族だけでゆっくり話した方がいいのではないだろうか。
「あ、いや、俺たぶん邪魔ですよね?皆さん話したいこともたくさんあるでしょうし…樋口くん送ったらすぐ帰るつもりだったし、失礼しますね、」
そう言って立ち上がろうとすると、樋口くんに服を引っ張られてまた座らされた。
「幸松さん、居ていいよ。」
「へ?」
居ていいよ、というより、居てほしいという目で樋口くんがこちらを見てきた。