ポンコツ同盟
「今日はもうひとつ、プレゼントがあるんだ。」
「え、」
「少し雨に濡れてしまったけど。」
幹ちゃんが取り出したのは白い箱。
「ケーキだよ。バースデーケーキ。」
私は呼吸の仕方が分からなくなった。
「明希ちゃん、君はもっと誕生日を嬉しそうに過ごすべきだ。」
「な…」
「じゃないと、お兄さんが報われない。」
喉がきゅっとなる。
「それにさ、こんなときにこんなこと言うのあれだけど、君のお兄さん、けっこう信号無視してたよ。」
「へ、」
「あの日だけじゃない。いつも自転車ぶっ飛ばして、よく信号無視してた。ぶっちゃけ迷惑だったよね。」
「え、あの、え?」
「だから君のせいではない。」