ポンコツ同盟

「幹ちゃん…」

「だからもし、お兄さんが恨んでいるとしたら、それは明希ちゃんのことじゃなくて、お兄さん自身だ。そして、大好きな明希ちゃんにそんな顔をさせてることもつらいだろうね。君がお兄さんのことを肯定したいのなら、君は幸せにならなければならない。生まれてきたことを幸せだと思わなければならない。君のご両親も可哀想だ。」

「…」

「お兄さんとの思い出を、悲しい気持ちだけで埋め尽くすな。これはあの日、お兄さんが君のために取りにいったケーキだ。君の笑顔が見たくて、注文したケーキだ。」

幹ちゃんは箱を開けて、フォークでひと切れ救い、それを私の口に入れた。

「これは、君の家族の愛だ。美味しいだろ。」

涙が出てきた。幹ちゃんからフォークを受け取り、ケーキを口に運んだ。

「美味しい…」

泣きながらケーキを食べる私の顔を見て、幹ちゃんは笑った。

「明希ちゃん、泣き顔まじでブス。」

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