ポンコツ同盟
「でさ、やばいんだって、代永先輩。」
階段を下りようとすると、踊り場で俺のことを話している2人の男子生徒がいた。
俺は思わず隠れてしまう。
「代永先輩、女だったら誰彼構わず手出すんだって。ヤクザの女とも関係もってるらしいぜ。」
俺のことを先輩って呼んでるから、たぶん1年だろう。
「へえ。」
ボサボサ頭の男子生徒が壁にもたれて興味なさそうに相槌を打つ。
「あとは中絶させたとか、隠し子がいるとか、性病もってるとか、援交で億稼いでるとか。」
「へえ。そんなひどい人なんだ。」
「らしいな。めっちゃ爽やかで優しい先輩なのに、そんな裏があるなんて思わなかったよ。あと、実は人間じゃないとかっていう噂もある。」
「人間じゃないってどういうことだよ。」
「わかんねえ。」