ポンコツ同盟

「でさ、やばいんだって、代永先輩。」

階段を下りようとすると、踊り場で俺のことを話している2人の男子生徒がいた。

俺は思わず隠れてしまう。

「代永先輩、女だったら誰彼構わず手出すんだって。ヤクザの女とも関係もってるらしいぜ。」

俺のことを先輩って呼んでるから、たぶん1年だろう。

「へえ。」

ボサボサ頭の男子生徒が壁にもたれて興味なさそうに相槌を打つ。

「あとは中絶させたとか、隠し子がいるとか、性病もってるとか、援交で億稼いでるとか。」

「へえ。そんなひどい人なんだ。」

「らしいな。めっちゃ爽やかで優しい先輩なのに、そんな裏があるなんて思わなかったよ。あと、実は人間じゃないとかっていう噂もある。」

「人間じゃないってどういうことだよ。」

「わかんねえ。」

< 49 / 377 >

この作品をシェア

pagetop