ポンコツ同盟
「あはは!ニート!潔いね!」
「でしょ。」
「でもきっとそう簡単にはなれないよ。あなたはニートなんて器じゃない。」
「夢はでっかく。」
「ふは。」
彼となら、将来について語っても全然苦痛じゃなかった。
「まあでも、人間生きてりゃどうにでもなる。そんな気負う必要はない。」
「ありがとう。」
「じゃあ僕は帰るよ。」
そう言って、樋口くんはまた手すりの上に立とうとした。
「やめて。それはほんと心臓に悪いからやめて。」
「えー。」
私が精一杯腕を引っ張ると、しぶしぶ歩道橋を歩いて帰って行った。