ポンコツ同盟
増永くんは慌てふためいている。
「人を好きになるって素晴らしいことだよね。こんなにも幸せなんだ。私はちゃんと気持ち伝えたんだから、今度は増永くんの番だよ。」
「…」
「増永くんなら大丈夫。私が保証する。もしダメでも、慰めてあげるから。」
「樋口さん…」
「さあ、行ってこい!伝えてこい!男気みせろ!」
「…ありがとう。」
私は力一杯増永くんの背中を叩いた。
ドアの方へ向かう彼が、ふと私の方に振り返った。
「樋口さん、人に好きになってもらえるって、とても嬉しいことだね。ありがとう。じゃあ、またね。」
そう言って笑う彼を見て、いろんな感情が沸き上がってきた。