ポンコツ同盟
「僕はもう決まってるよ。」
幹生の言葉を聞いた担任が満面の笑みを浮かべた。
「そうか!樋口はもう決まってるのか!さすが首席だな!なんだ?お前の夢は。」
幹生は頬杖をついたまま答える。
「ニートです。」
「…は?」
「だからニートです。え、先生、ニート知らないんですか?」
「え、いや知ってるけど、」
「ニートって誰もが憧れるじゃないですか。みんなの憧れの存在になりたいです。」
やる気のない顔で答える幹生に担任は頭を抱えた。
「樋口、お前はもっと精神力を鍛えてから出直してこい。」
「はーい。ニートの精神力鍛えてきます。」
「そういうことじゃない!」
今日もまた、教師を派手に怒らせる幹生だった。