ポンコツ同盟
樋口がいなくなった瞬間、どっと汗が出て、顔が熱くなった。
バカみたいじゃん俺。
樋口なんて俺なんか眼中にないのに、俺ばっかり必死に敵視して。
恥ずかしい。カッコ悪い。
今の俺では、あいつには敵わない。
うちの家族はみんな高学歴で、俺も必然的にいい大学に進むもんだとは思っていたけど、夢はまだ決まってない。
なんだか癪だが、とりあえず今はあいつが言っていたように、選択肢を広げるために勉強しよう。
そして絶対、あいつを追い越して学年1位をとってやる。
勉強は裏切らないってことを、俺の手で証明してやる。
あいつに対してのイライラが、少しだけワクワクに変わった。