ポンコツ同盟
10、笛木千里という女
笛木千里、小学6年生。
今年、お父さんの仕事の都合で引っ越して転校した。
本当はあと1年待って欲しかった。
小さい頃からの友達と一緒に小学校を卒業したかった。
でもそんな我儘は言ってられない。
何故なら、一番上の兄、哲也はちょうど高校入学という節目だったからだ。
ぶっちゃけ私は人見知りもしないし、すぐに人と仲良くできる。
しかし、哲兄は違う。
人見知りだし、何より見た目が怖い。
私は小さい頃から優しい兄ちゃんだと認識していたし、顔なんて別に怖いと思ったことはなかった。
しかし、私のクラスメートの指摘によってその事実を知った。