しつこいよ、長谷部くん





「俺のせいでミスしたと思ってます?」



長谷部くんにムカついて、思わず舌打ちをしてしまう。



「おおー図星ですね?」



ニヤニヤすんな、気持ち悪い。


キッと長谷部くんを睨むと、彼はすごく嬉しそうに顔をほころばせた。



「てことは!」



パチンと手を合わせて、うっとり夢見心地のような表情を作る長谷部くん。



「まーたり先輩ったら、俺のこと意識してくれてたってことですねっ!」


「はぁ?」



アホか、なんでそうなった。



「あー俺の頑張りが効果を出してるぅー!」


「いや。出してないから」


「ノンノンノーン! 出してまーす!」



多分ここで言う効果というのは、私から恋愛対象として見られるように長谷部くんが努力していることについてだ。



「うっざ」


「てへぺろっ」


「それもう古い」


「えーもうネタないですよー」



ネタ尽きるの早いな。


なんだか長谷部くんが変すぎて失笑。


そんな私を見て、長谷部くんは高らかに言った。



「まーたり先輩いつも通りになりましたね! 良きかな良きかなー!」



………言われてみれば。


長谷部くんと話している間にいつも通りの私に戻ったことに気付いた。



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