《短》森田の女嫌いも何のその。
森田がいいんだもん。
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散々泣いて、散々迷って、
たどり着いた答え『森田を諦める』
ただ、好きでいる…なんて、口では綺麗事言っておきながら、結局どこかで期待してあわよくば…って思ってた自分が嫌になる。
女嫌いだと思ってた森田に、まさか好きな子がいたなんて…
でも、諦めるキッカケが出来た事に少しだけホッとしてる自分もいるのは事実。
ゴールが見えない森田の攻略にいい加減私も疲れてきてたみたい。
もうすぐ森田の雑用係を初めて2ヵ月。この2ヶ月で知らなかった森田を沢山知って、その全部がもっともっと森田を好きにさせた。
でも、いい事ばかりじゃなかったし、傍に入ればいるほど縮まらない距離に苦しくなった。
たまに期待しては、すぐに裏切られて。
でも、それも含めて全部…楽しかった。
「バカ森田、頑張れ。」
今日で最後。
私は雑用係として頼まれた『試合を見に行く』と言う最後のミッションをこなしに来ただけ。
これが終わってしまえば、もう森田との関係はゼロへと戻る。
……誰にも見られたくなくて、ひっそり応援席の1番上から見つめるけれど、
嫌ってくらい目で追ってしまうのは、やっぱり『11』の文字。