《短》森田の女嫌いも何のその。
「女は嫌い。面倒くせぇし、すぐ自分の理想ばっかり押し付けて来て、理想と違うって分かれば離れてく。」
地面へと視線を下げた森田が、それでもポツリ…ポツリと紡ぐ言葉を
聞き逃さない様にと、全部の神経を大好きなその声に集中させる。
「どうせお前も雑用係なんて面倒なこと、すぐに嫌になると思ってた。つーか、早く嫌になって離れてけばいいって思ってた。
…また面倒な奴に好かれたな、って…そう思ってたのに。」
再び私に向けられた森田の視線は、ほんのり熱を持っていて、
何故か見つめられてジワジワ恥ずかしさに襲われていく。
「…何が好きなの、俺の。
俺なんかの何が好きで…お前はそんなに頑張んの?」
……私が森田を好きな理由。
そんなの、いっぱいあるよ。
いっぱい、いっぱいあるよ。