《短》森田の女嫌いも何のその。


「…でも、気付いた。
好きだからこそ、相手の幸せを願うポジションの人間って必要なんだよね。」


ちゃんと…森田と…森田の好きな子が、どうか上手くいきますようにって思ってるんだから。


そりゃ少しだけ、羨ましいって気持ちもあるけど、


でも


「森田と森田の好きな子が…」


「朔〜!!」


?!



私の言葉を遮って聞こえてきた声は、ためうことなく森田を呼んだ。


「美月?!」


その声の主は、しゃがみこんだままの森田へと抱き着いて、バランスを崩した森田は尻もち向きながら支える。



『美月ちゃん』…昨日 柄本くんたちとの会話の中に出てきた名前にドクンと心臓は音を立てた。



「探したんだよ?試合終わったから一緒に帰ろうと思って!」



後ろ姿しか見えないその子は、髪の毛に見覚えのある大きなリボンのシュシュ。



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