《短》森田の女嫌いも何のその。
「なるほど、な。
俺が美月のこと好きだと思ったわけ?」
「……だって、」
あんな会話聞いたら…誰だってそう思うに決まってるじゃん。
「……嫉妬したわけだ?」
「………。」
何も言い返せないのは、森田の言う通りだから。
自然に涙が出るくらい、森田が好きだから仕方ないよね。
私の顔は間違いなくゆでダコみたいに真っ赤で、恥ずかしいから見ないで欲しいのに
立ち上がった森田は、ズンズン私へと近寄って来て、
「……可愛い。」
「〜〜っ、」
私を引き寄せながら甘い言葉を投下した。
私の心臓は一気にバクバクと加速して、変な期待が頭を過ぎる。
「試合が終わって…ピッチからお前が見えた時、居ても立ってもいられなくなった。
昨日の今日で、やけに調子良かったのも、全部 お前が試合見ててくれたからだって思った。」
「何が言いたいの?」
森田のせいで泣き虫になったかも知れない。じわじわと滲んでくる涙に打ち勝つべく、強気な態度を取ってみても
「雑用係やめて、俺の勝利の女神やる気ない?」
「…なに、それ…」
「ずっと、側で俺のこと見守る役目だから…今より大変かもしれねぇけど。」
ニヤッと笑う森田は、余裕いっぱいで
それがなんだか凄く腹立たしくて