《短》森田の女嫌いも何のその。
…なんて、口では簡単に言えても
"ただ、好きでいる"ことがどういう事なのか…考えれば考えるほど辛い未来が待ち受けていそうで
うげっ、と1人顔をしかめる。
『なんで、そんなに頑張るの?』
初めて森田に声をかけた時の言葉を私は未だに忘れられない。
1年の秋、放課後のグラウンド横を通って、いつものように帰ろうとしてた私は、サッカー部が一生懸命 練習する中、ひたすらボール磨きをする1人の男子に目が止まった…
そして気付けば何の気なしに、声をかけていた。
森田は覚えていないかもしれないけれど、足にギプス包帯をした森田は、そのまま私をチラッと見たあと
再びボール磨きへと意識を戻してしまって、
感じ悪いやつ!!
ってのが、正直な第一印象だった。
クラスも違って、接点もなかったあの頃からは、信じられないくらい大きくなったこの気持ちを、自分でも笑っちゃうくらい大切にしたいと思うから
やっぱり、悔しいけど、森田が好き。