《短》森田の女嫌いも何のその。
「森田、はい。」
「本気で抜けて行ってきたわけ?」
教室に入るなり、友達と群がる森田へ差し出すコンビニ袋。
「だって!森田が行けって言ったんじゃん!」
「……めげねぇ奴。」
「こんなに頑張ってるんだから、早く好きって言え。」
ぶぅ、と膨らませた私の頬っぺたを両手でパンと軽く挟んだ森田は
「はいはい、ご苦労さん。」
「なっ、」
そのまま、ポンと優しく頭を撫でる。
そんな仕草にさえ、ドキドキしてるこっちの事なんか何一つ知らないで。
女嫌いな森田。
それは、相変わらず健在だけど…私とはこうして話したり、触れたり、たまに笑ってくれたり…
少しは受け入れてくれてるような気がして…
このまま頑張ったらいつか、森田に好きになってもらえるかもしれない
そんな期待をしないではいられない。