下村係長と同期の榎本くんの、シェア彼女…!?
「あ、係長!榎本くんが…っ」


怒ったような歩幅とスピードで歩みを進め、係長は会社裏口玄関の壁にわたしを押しつける。


「カナ、お前、今日何しに来た?オレのモノになっておいて他のヤツに告られるため?」


「じゃなくて…えっと…。仕事です…」


「じゃ、それを優先させろ」


「あの、わたし…!昨日のミスで取引先の薬局に行かなきゃで…」


「知ってる。高島部長から連絡もらってる。“オレが”連れて行く」


「へ…?どうして下村係長が?」


「せせらぎ、オレの営業担当だから。顔の知ったオレも一緒に頭下げてきてくれ、だとさ」


「そう…ですか…」


「菓子折り、ソレだな?」


「はい。昨日の水ようかんです」


「じゃ、行くぞ」


「は、はいっ」


係長の後をついて、まだ朝なのにムッと蒸し暑い公用車の中。


───ガタンッ


シートベルトをつける前にシートが倒されて、わたしは係長の体の下。
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