下村係長と同期の榎本くんの、シェア彼女…!?
「カナさ、ミスって何?」


「あ…。えっと…ミス、というか…言葉の行き違い的な…?」


「何だよ、ソレ」


「何ていうか…。身を捧げるのは無理だったので、そのことを誤解されちゃいけないかな、なんて…」


「それだけ?」


「…はい」


言えない…言えっこない。


ここまできて告白ミスとは…もう言えませんっ。


「心はあるんだな?」


───コクン


ただ頷くと係長は荒いキスをわたしの唇に押しつけた。


唇だけで気持ちのないキスに呼吸が苦しくなる。


「カナさ」


「は、はい…」


「キスも初心者?」


「キスまではっ、キスくらいは経験ありますっ」


「何回?」


「…2」


「プッ…。立派に初心者様だよ」


そう言って係長はまたわたしにキス。


今度は優しく、わたしの全てを誘うみたいに。


「これで3回。過去の更新記録、達成だからな」


助手席のシートを定位置に直してくれて車を発進させる。
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