下村係長と同期の榎本くんの、シェア彼女…!?
「身も心も捧げる、って、マジ?」


「あっ!いえっ!あの、コレは…ッ」


「ありがたくもらうな」


片手に水ようかんの箱、片手に下村係長の手。


その両手はふさがったまま、係長はどんどん先へ進む。


「あのっ…!下村係長っ」


わたしが止まろうとしてもどんどん引っ張られる右手。


てゆーか、榎本くん、どこッ!?


見渡しても帰宅ラッシュのオフィス街、わたしより背の高いお姉さま達やスーツ姿の中に榎本くんは見つけられない。


わたしはパニくる頭を整理できずに、ただ下村係長の後を追う。


えっと、えっと!


わたしは榎本くんに告白したはず…で。


だけどなぜか目の前にいたのは下村係長、で。


で…手を握る相手を間違ったってこと!?


あり得ないッ!!


人生最大のミスッ!!
< 9 / 68 >

この作品をシェア

pagetop