素敵な夜はあなたと・・・~君に恋していたい~【番外編完】

「あの、茜ちゃんは? まさか、茜ちゃんを一緒に連れて行くって事じゃないですよね?」

「ああ、茜も一緒に連れて行く。俺のサポートをさせる。」


 俺が「茜」発言をしたものだから狩野と佐伯は顔を見合わせて驚いていた。新藤はかなり目を丸くして俺に食いかかってくるような様子だ。

 納得のいかないという顔をしている新藤は更に俺を睨みつけた。


「納得いかないです。私情を挟むなんてズルくないですか?!課長なら何でもアリってことですか?」

「これは会長の命令でもある。」


 俺の口から会長の名前が出たことで新藤はかなり唖然としていた。まったく話の見えない狩野も佐伯も不思議そうな顔をするばかりで彼らも納得はいかないようだ。

 ここは分かるように説明した方がいいのだろうと思っていると、横から茜が出てきては俺の前に立ち皆に軽くお辞儀をした。何を始めたのか?と俺も他の連中と一緒になって茜をみていた。


 すると・・・


「皆さんに報告があります。今回、私、会長の舞阪秀夫の孫の茜は元夫の黒木優也と再婚することが決まりましたことを報告いたします。」

「えええっ?!!!」


 茜・・・・・元の夫という事は俺達が一度離婚したと説明したことになる。おまけに再婚と言うのは絶対に離婚経験があると言っている様なものだ。いいのか?そんな説明をしても?


「茜・・・・えっと・・・」

「事実でしょ?」


 茜はにっこり微笑むと俺の腕に嬉しそうに抱きついた。俺も皆の前で堂々といられるのは嬉しいが、職場でこれはあまりにも堂々とし過ぎてないだろうか?


「それって、茜ちゃんと課長は元は夫婦だったってこと?!」

「はい! 実は一度私達結婚して4年前に離婚したんです。」

「4年前に離婚?!!!」


 4年という年月を聞いた皆は揃って俺の顔を厭らしい目で見ていた。今の茜の年齢を考えれば女子高生相手に結婚したことになるからだ。完全に俺を変態の様な目で見ている新藤に俺は言い返す言葉が見つからない。

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