素敵な夜はあなたと・・・~君に恋していたい~【番外編完】
やっぱり布団から出たくない優也は私を抱きしめては布団を頭から被った。
「優也」
「なあ、もう一回しよ?」
「ダメ、お祖父ちゃんの所行くんでしょ?」
すると、また「う~ん」と何か考えていた様で目を閉じた優也だったけど、私の顔を見るとやっぱり「もう一回したら起きる」と頑として譲ろうとしない。
今日は、私と優也の大事な日でウェディングドレスの試着をする日なのだ。
既に入籍を済ませたのだけど結婚式はまだ挙げていない。私の結婚式だからとお祖父ちゃんが会社を上げての盛大な式にすると言うのに対して、再婚だからと優也は地味な式にしたいと言い出した。
私はどっちでも良いけれど、欲を言えば二人だけの甘~い結婚式と新婚旅行を夢見ていたんだ。
やっぱり、最初の結婚が失敗に終わっているから今度は失敗したくないから。
なのに、二人とも、こんな私の気持ちなど気にもせずにお互いの言い分ばかりを言い合いっていた。
そして、今日のドレス試着にしても盛大な式と質素な式に合わせたドレスを準備して貰っているはず。これで無事に結婚式が出来るのか、ちょっと心配になってきた。
「優也・・・・ダメだってば」
「茜、体は正直だな♪ 既に悦んでいるぞ」
「もう~ダメだって。やだあ。」
「やだじゃないだろう?ほら」
な~んて結局は二人で布団の中でじゃれ合っていると・・・・
「さっさと起きてこんか!!!馬鹿者どもが!!」
と、私達の寝室の前の廊下からお祖父ちゃんの怒鳴り声が聞こえて来た。