死神さん
放課後磯貝氏に呼ばれ職員室に行った
ビビってたわりにはあまり怒られなかった
次回から気をつけるんだぞって感じ 部活のキャプテンのことを言いつけてやろうかと思ったが彼の部内での立場を考え、やめてやった
まあほかにもこれからの進路のこととか少し聞かれたけど正直あんまりおぼえてない
・・身軽になった体で悠々と部室に向かう



校舎の二階、昼休みの生徒の憩いの場である図書室
そのにぎわいの隣にある小さな部屋
図書館の本の準備室も兼ねた部室そうこ
れこそが我が文献部の部室

その扉を開ける

「ん??ユキくん??はやかったねぇー」

そしてこれが我が文献部の部長 香乃ナナである・・・やあやあまた会いましたね

「あーおもったより、時間かからなかったよ。余裕だったね」
・・・びひりまくっていたが少し強がってみる男の威厳ってやつだ

「おーつよがっちゃって男の威厳ってやつかなぁ〜」
・・・・・・読まれてた。鋭い奴め

わが文献部の主な活動内容は3つ

1 古い文献を読み歴史について読み解き知識を深める

2 文献以外にも各々自由に活動し、部員同士の交流を深める

3 菓子食いながらだべる!!

・・・・・・こんなんで大丈夫なんですか委員長!!

1はまだしも2は都合のいい言葉を並べただけな気がするし、3はもうカンペキにあれなわけで・・・

「ううん、だって私が古い文献読みたいだけで作った部室だもん。ほかの人だって元々人数合わせのためにきてくれた様なもんだからユキくんみたいにちゃんと部室に来てくれるだけで充分ありがたいよ」
・・・そんなもんでしょうか委員長

文献部の部活はいつもゆったりとした時間が流れている
この悠久の時の中でゆっくりしながら目で文字を追うのはなかなか悪くなく、とても気分が良くなる

「まあこうでなきゃこの部活らしくないかもね」

「そうだよ、文化部には文化部なりのやり方ってのがあるんだよ」

「運動部ってのはきついばっかしろくなことないもんなぁ!!」俺はグラウンドを見ながら大声でいう

「フフッユキくんはわかりやすいね
本当に良かったの?サッカー辞めて」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・まったくまだそんなこと気にしてるのか
「ナナよ、それはもう言わない約束だろ」
俺は少しおどけた様に返事をした



一年前、俺と翔太はサッカー部に入部した
もともとサッカーをやっていた俺達はほかの新入部員よりも少しばかり秀でていた
だから運悪く先輩方に目をつけられてしまった
ひどかった・・・自分達だけボールに触らせてもらえず1日中グラウンドを走らされる日々・・・朝練にでたらおいてあったスパイクがなくなってたり、リブスが破られていることもあった
先輩達の嫌がらせは新しい顧問の磯貝先生が来るまで続いたらしい
そんななかで俺の心はサッカーがやりたいという情熱がなくなってしまった。
・・・単に根性がなかっただけかもしれない
入部して半年後、オレはサッカーをやめた
翔馬にはさんざん引き止められたがもう自分の中で結論がでてしまっていた

その後プラプラしていた俺にナナが声を掛けて今に至る


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