白衣とメガネと懐中時計
ずっと友達関係を続けてきたあたしたちが初めて知った、体温。
「な、なに、言って……」
明らかに動揺したあたしは上ずった声しか出ない。
「お前、俺のこと好きだろ?だから、俺の女になれ」
「はぁ!?」
なんと、強引で、俺様で、自信に満ちた告白なのだ。
「馬鹿じゃないの?誰があんたなんか!」
「俺は、お前を無防備にする方法を知っている」
言うや否や、お腹あたりでホールドしてくる彼の指が、白衣のボタンを外しだす。
呆気なく、白衣は脱がされて、あたしと翔平の間に落ちた。
右側のポケットに入った懐中時計と左側のポケットに入った保護メガネが、床とぶつかり、かちゃり、と音を立てる。
その指があたしの髪を止めていた、黒いヘアゴムを外して。
身体を反転させられた。