【短】さかさまのキミと
「なぁなぁ、あの子可愛くね?」
「は?あの子って誰だよ?」
「あの子だろ?いつも花壇に水やってる…」
「そうそう、その子!」
突如始まった先輩たちの話の『あの子』に全身がピクリと反応する。
「あの花とすげぇ似合っててさ〜、
なんつーか綺麗?」
「そう、そうなんだよ!
俺、結構タイプなんだよなぁ」
「は?お前マジかよっ!」
あーあ、イライラする。
なに言ってくれてんですか。
「あの子、1年だろう?
おい三浦、知ってるか?」
「知ってますよ?」
知ってるに決まってるじゃん。
だって、その子は…