【短】さかさまのキミと



「じゃ、俺お先に失礼しまーす!」

「おお、佐野。お前も毎日すげぇなぁ」

「まあ、好きでやってますから」


佐野はいつも1つ上の先輩に会いに行く。

俺も、それぐらい堂々とやれたらいいんだけど。



「今日、俺絶対花の子と目があったわ〜」

「やべぇ。いけるんじゃね?」


ははは。冗談じゃない。

俺がなんのために、こんなに目立とうとしてると思ってんすか?

てか、『花の子』ってなんすか?



「なぁ、花の子ってどんな子?」

「優しい子です」



笑顔を作って、先輩の質問に答える。

俺、ちゃんと笑ってるかな?



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