【短】さかさまのキミと
「ねぇ、すみれ貰っていい?」
「え?あ、これ?はい」
私はさっき摘んだスミレの花を差し出した。
「んー。そっちじゃなくてこっちのすみれ」
「え?…んっ」
突然三浦くんの顔が近づいてきたかと思うと、
私の唇は三浦くんによって奪われていた。
唇が熱を帯びていくのがわかる。
それだけじゃない。
顔、体全体が熱くなる。
「ふっ。照れてる?
それお返しだから!!」
本当…私の負けです。
でもこんな負けなら、いいかな……
なんてね。