【短】さかさまのキミと
唯一、私と三浦くんが目が合うのは、
私が花に水をあげる当番の、水曜日の放課後。
三浦くんがサッカーをしていて、
私はチラリと三浦くんを盗み見る。
パッと目が合って、私はすぐに目を逸らす。
これを毎週のように繰り返して、
毎回私の気持ちに気づかれたんじゃないかとヒヤヒヤする。
「何か植えたいもの、ないのか〜?」
意識を戻せば、困り果てた先生の声。
案を出す人などいない。
だって、案を出した人がその植物の世話をしなければならないのだから。
そんな面倒くさいこと、誰がするのだろう。