【短】佐野くん、いい加減にして。
「んな顔するなよ。こっちが悲しくなるじゃん」
クシャっと私の頭を撫でられた。
「ただ言いたかっただけだから。これからも普通に選手とマネージャーで仲良くしてよ」
「あ、同級生としてもね」なんて続けて笑う仲野くん。
「うん…ありがとう」
「おう」
じゃあ、また明日。
お互いそう告げて、家に向かった。
「ヒナ先輩」
次の角を曲がれば自分の家。
そう思っていた矢先に、私は目を丸くしてしまった。
「え…佐野くん?なんで…」
その曲がり角から、佐野くんが現れたから。