【短】佐野くん、いい加減にして。
横には何故か知らない女の子もいる。
突然の登場への驚きと、火曜日なのに佐野くんに会えた喜びと、隣の女の子への黒い感情と。
1度に起きたこの状況に、頭が追いつかなかった。
「あ、萱島 (カヤシマ)。俺これから用事あるから、先に帰ってもらえる?」
かと思えば、佐野くんはその女の子にそう告げ何故か追い払う。
まさかの2人きりの状況に、色んな意味で胸がドキドキしていた。
「で、ヒナ先輩」
「な、何よ…。ていうか、何でここにいるの?」
「そんなこと今はどうでもいいです」
私の質問に答えようとしない佐野くん。
機嫌が悪いのか、いつものニコニコ笑顔ではない。