【短】佐野くん、いい加減にして。




「先輩…ソレ、本気で言ってます?」

「割と本気です」



「はぁーーーー」と盛大なため息を吐いて私の体を話す佐野くん。




「俺、好きって言ってましたよね?」

「うん」

「部活がある日は毎日ヒナ先輩のところに行ってましたよね?」

「そうだね」


「……それで、なんで俺の気持ち伝わってないんですか…」




ガックリと肩を落とす佐野くんだけど、私にだって言い分はあった。





「だって佐野くんモテるし。いつも周りに女の子いるし。…ほら、さっきまで一緒にいた子とか。だから誰にでもああいうことを言うのかなぁと…」


それに、バカが付くくらいお人好しだし。


これは本人には言わないけど。




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