【短】佐野くん、いい加減にして。
「先輩、それ嫉妬ですか?」
「は、はぁ…っ!?」
私の言い分を聞き入れてくれるのかと思いきや、佐野くんはまた大分飛んだ話を持ちかけてくる。
「だってそれ、ヤキモチですよね?俺が他の女といるの見て嫉妬したんでしょう?」
「……」
この男は、いつからこんな強気になったんだろう。
「ね?そうですよね?」
けど、押しに負けてそれに頷く私も私だった。
「そうだよ。ヤキモチだもん。佐野くん、いつも私に構ってくるくせに別のとこで他の子にニコニコするから…。悪い?」
軽く睨んで見上げる私。
なんて、可愛くないんだろう。
素直に嫉妬したって言えばいいだけなのに。
好きだから嫉妬したって、言えばいいのに。