【短】佐野くん、いい加減にして。
お人好しもほどほどに





「で、さっきの子は誰?」



そのまま家には帰らず、近くの公園のベンチに座った私たち。



私の右手にはしっかりと佐野くん左手が重なっている。




「萱島のことですか?あれは、一緒に放課後の買い物に付き合って欲しいって言われて」

「……はぁ〜」

「え、なんで溜息!?」



分かっていないのか驚いた様子の佐野くん。




「もう。なんで断らないの?そんなの、ただ佐野くんと出掛けたいからに決まってるじゃん」

「え、でもどうしてもって言われて…」




やっぱり、お人好しを通り越したバカだ、こいつは。




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