【短】佐野くん、いい加減にして。
そう、私が所属しているのは陸上部のマネージャー。
決して、サッカー部のマネージャーではない。
サッカー部と陸上部の練習場所は一応隣同士だけど、どうやってもサッカー部との接点はないのだ。
なら、何故佐野くんは毎回空いた時間に私の元へからかいに来るのか。
それは、私自身大きなの謎の1つだったりする。
特別関わった記憶もない。
なのに、
『ヒナ先輩』
佐野くんは、気付いたら私の名前を呼んで、そしてよく話すようになった。
***
「先輩。ヒナ先輩」
「…相変わらずしつこいね、佐野くん」
部活が終わる20時。
もう恒例となったように、佐野くんは私の目の前に立っていた。