【短】佐野くん、いい加減にして。
「わかった、私も手伝う。さっさと終わらせて帰ろ」
そう言ってサッカー部の部室に向かう私に、佐野くんはニコニコしながらついてくる。
「ヒナ先輩って、なんだかんだ俺と帰ってくれますよね。ツンデレとか?かーわいー」
「うるさい。何なら佐野くん1人で部室掃除やってもいいんだよ?」
「いや、はい。ゴメンナサイ。手伝ってください」
そんな会話をして、私たちはきちんと部室の掃除を終わらせてから家に帰った。
「次頼まれたら今度はちゃんと断るんだよ?」
「…努力はします」
帰り道、もう何度言ったか分からない言葉を投げかけたけど、きっとそれもまた無駄になるんだろう。