風鈴亭と水底の歌
歌
縁側に座って、おじいちゃんが花に水を
やってるのをぼーっと眺める。
葉っぱにのったしずくが、日のひかりを
反射して、きらきら、きらきら。
気がつくと、わたしは歌いだしていた。
歌をきいて、妖怪たちが
あちこちから集まってくる。
空をふよふよ漂っているくらげのようなもの。
草かげからこっちをみているふさふさのもの。
物干し竿の上から、
ひっそり一つ目を覗かせているもの。