風鈴亭と水底の歌
花
わたしはおじいちゃんの言葉が気になって、
食器を片付け終わるとすぐに庭に向かった。
「おじいちゃん、話って?」
「おお、奏、はやかったねぇ。
さ、こっちへおいで」
わたしはおじいちゃんの隣に腰をおろした。
目の前には綺麗な花がいっぱい並んでいる。
おじいちゃんが毎日かかさず水やりして、
大切に育てている花たちだ。
そのうちのひとつを、
おじいちゃんがいきなり摘みとる。