72時間の恋人

「じゃあタクヤ君。【私】からわかんないけど、また明日学校でね」

「おう、じゃ……の前に。君付けやめようぜ。もし学校で呼んだら不思議がられる」



流石に他の人にこの事がバレちゃ不味いから、俺は会った人格みんなにこう告げることにしている。

ナツミも直ぐに理解したようで。



「あ、そうだよね。わかった。……じゃ、今度こそまた明日ね、タクヤ」





そのにっこりと笑う見慣れた顔に。


その声で呼ばれ続けた呼び捨てに。



ユウカ以外の【彼女】に初めて、不覚にもドキッとしてしまった。


< 10 / 43 >

この作品をシェア

pagetop