~ただ前へ~
「でも、たいしたことなくて良かったね」

「うん」



「それとさ、まだビッグニースあるんだよ」

梨花がニタニタして言う。


内心焦る。

まさか・・・・違うよね。

知らないよね、先生に運ばれたこと。


「涼介先生のことなんだけど」


えっ、えっ!



「テニス部の顧問になるんだって」


良かった。

胸を撫でおろす。


「あれ?カノンどうかした?」

「別に、なんでもないよ!」

「そう?」

怪訝そうな梨花に、

「テニス部の顧問ー!!!」

派手に驚いて見せる。

そうか、それで昨日部室にいたんだ。

一人で納得する。





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