~ただ前へ~
「終わったか?」

涼介先生が道をふさぐように立っていた。


万事休す


置かれたノートを手に取ると、目を通す。


「『分かりません』なんだこれ」

怒気を含んだ声は大きく、他の先生方がこちらを見る。




「飯田先生、数学準備室開いてますか?」

涼介先生の向かいの机に座っていた飯田先生も数学の先生だ。


「ええ、今はだれも使ってないですね」


飯田先生から鍵を受け取ると、

「大倉ついて来い」


そういって先生は歩き出した。



ひぇー。








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