~ただ前へ~
「分かったか?」

耳元で囁く。


ビクっ。


魔法にかかったみたいに動けない。

だってそんなことされたら、体中がびっくりして。



うつむいて頷くのがやっと。

全身が火照るのが分かる。




「じゃ、これやって」

応用問題を指す。




ダメ、ダメ。

好きじゃない。

頭を抱える。





「どうした?お前変だぞ、病気か?」

どうして、発想がそっちに行っちゃう?


「ち、違います」

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