~ただ前へ~
裕也は黙って私の手を取ると、公園へ入る。



私、どうして拒否しないんだろう?

裕也の言い訳を聞きたいから?

裕也のことまだ好きだから?

それとも、先生に彼女がいたから?



砂場の淵に座る。


昼間遊んだ子が忘れていったんだろう、赤いシャベルが砂にささっている。



「さっきはごめん。カッとなって」


「・・・・・・」
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