~ただ前へ~
「お前、彼氏いんの?」



何で今更、そんなこと。


「裕也に関係ないでしょ」



胸がつまる。

だって、好きだったんだよ。

高校生になって制服デート憧れてたのに。

連絡くれなかったじゃん。

裕也が私を振ったんじゃん。






「裕也こそ、彼女いるの?」

声がうわずる。

涙がこぼれそうで。

必死にこらえる。



「いない」


静かな声。

雲が月を隠す。

辺りを暗闇が包む。





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