REINCARNATION〜永遠の果てに君を想う〜
理科室へ向かう秋人を追いかける椿。
椿は学年2位の秀才で運動神経もよく、クラスの人気者でもあった。
一方秋人は学年1位で容姿も淡麗で、優しい。
そして、どこか切なげだった。
「秋人はさ、なんでそんなに理科が好きなの?」
「科学は希望です。人の命を奪う事も救う事もできる。
全ての現象に答えや意味を導き出せる。
科学には善も悪もないんです。
科学なら永遠だって作り出せる可能性を秘めている。
魅力的じゃないですか?」
「ふーん。じゃぁもし永遠が出来たらーずっと一緒にいれるねっ!」
「/////////」
「あ、また赤くなった!」
「はぁ」
ガラガラガラガラ
「グッドアフタヌーン!秋人君!あれ?椿さんも一緒かい?」
「勝手についてきたんです。」
「勝手についてきちゃいました〜!」
「元気があってよろしい!」
「それより帰ってきてたんですね。」
「あー君にも報告をと思ってね。
はるばるアメリカから今朝戻ってきたところさ」
「成功したんですか!?」
「いんや、不老不死とは程遠いよ。
だがね、確実な一歩だよ!
マウスの寿命が二倍になったんだ!
アメリカのラボにこもりっきりですっかり髭が伸びちゃたー」
「そろそろ解雇されてもおかしくないわねっ!先生っ」
「まったくその通りだね。ハッハッハッハー」
「さぁて代理の只先生じゃ教えてくれないような理科の授業をはじめようか」
「はいっ!」
秋人は目をキラつかせて、楽しそうに使い込まれたノートに数式や実験結果を綴っていく。
そんな秋人を愛おしそうに微笑みながら眺める椿。